クリスタルウォーターズのマックス・リンデンガーさん講演録
2006年11月4日 「森のがっこうとエコビレッジ」シンポジウムでの
マックス・リンデンガーさん講演録です。
スライドも用意できれば判りやすかったのですが、残念ながら用意できませんでした。
ここから
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ご紹介有難うございました。
私のバックグラウンド、そして私が何を行っているかをご紹介していただきました。
この会場にいらっしゃる方は、母国語が英語でないという方ばかりだと思います。
英語は私にとっても母国語ではありません。
それではクリスタルウォーターズについてほんの少しだけご紹介させていただきます。
クリスタルウォーターズについて少し説明しまして、そしてバイオリージョンについて、その後エコビレッジを設計するに当たっての私が
重要だと考えている点をご説明いたします。
クリスタルウォーターズの場所はブリスベンから北へ120キロ。
クリスタルウォーターズの位置するところは典型的な亜熱帯気候です。
夏は暑くてじめじめしている気候です。冬は乾燥していて、そんなに寒くならないマイルドな気候です。
全敷地は249ヘクタール(1ヘクタール=一辺が100mの正方形の面積)
このうち13.6%が人が住む地域になっています。
そして、6%が協同組合の所有になっています。
協同組合所有のところにお店などがあります。
教育センターも6%の中に入っております。
ミルクやチーズを作るところやべーかりーやレストランもあります。
ここは毎年発展を続けています。
ここは今から50年くらいをかけて開発されていくように設計されています。
敷地の80%が共有所有。
共有所有地には18の小さな湖があります。
2つの川があり、農業用地、野生動物のための場所として利用されています。
13.6%の敷地に83の家族が暮らしています。
設計は1985年に始まりまして、最初にこの場所に移り住んだのが1988年です。
クリスタルウォーターズは現在では250名が住んでいまして、そのうち90名が子供です。
クリスタルウォーターズの住人のうち85%の人がクリスタルウォーターズ内で仕事をして暮らしています。
このコミュニティー内で仕事をするということは私たちにとって大変重要なことです。
それはコミュニティー内外の交通を最小限にとどめる事ができるからです。
居住区という方法で暮らしています。
1つの居住区に7~12の家族が暮らしているという形です。
1985年設計当時、法的な体系のモデルになるものがありませんでした。
85年に地方政府当局に相談しましたところ不可能と言われました。
地方政府当局からやろうとしている建設は不可能であり、違法だと申し渡されたのです。
夢であった建設を実際のものにするまでに3年以上掛かりました。
不可能なものが可能になるということを私たちは実証したのです。
それではスライドを少し紹介させていただきたいと思います。
バイオリージョンというところをご紹介します。
<ヌーサの海岸のスライド>
ここはクリスタルウォーターズから東へ1時間のところ、ここの景色は200年前、500年前とそう変わらないと思います。ヌーサ国立
公園とよばれている所です。
この海岸線はアボリジニの人々にとっても食料という点で重要なところで、新しくやって来た人々にとってもレクレーションとして重要な
ところです。
私たちがエコビレッジを作るということは、新しい文化作りをやっているということです。
私たちが新しい文化を作る際は、古い文化を傷つけるようなことがあってはならないということは重要なことです。これは日本の実態を考
える上でもとても重要なことだと思います。
私たちがオーストラリアで犯した過ちは、原住民アボリジニの人たちの文化をなおざりにしてしまった事です。
<ヒンダーランドのスライド>
クリスタルウォーターズはサンシャインコースとの奥まったところにあります。
この地域は急激に変化を遂げています。
酪農業や亜熱帯の食物の栽培、マカデミアナッツ、アボガド、パイナップル、サトウキビなど。農業全体がこの地域では急激に変化を遂げ
ています。
残念なんですが、この地域の多くのところがコンクリートに覆われています。
オーストラリアは大変ユニークな大陸でもあります。
アボリジニの人々はこの地域を夢を見るような場所とよびます。
6000年前にはオーストラリア大陸は、南アメリカ大陸、アフリカ大陸と繋がっていました。
そして、2つの大陸を見てみますとオーストラリアが独自のユニークな変化を遂げた痕跡がたくさんあります。
このオーストラリア大陸自体が独自の要素を持つということを考えると、エコビレッジを作る際にもオーストラリアに適した形でエコビ
レッジを開発するということが重要です。
日本も独自の要素を持っていますので、日本独自のエコビレッジを作ることが必要です。
マレニーという町は大変ユニークな街でもあります。
協同組合の協同組合による町と言う意味です。
協同組合による財政システムをオーストラリアで初めて確立した町という意味でもあります。コミュニティーバンクを作ったという点でも
注目を集める場所です。
マレニーには、まだまだ沢山の協同組合の組織があって、たくさんの活動を行っていて、それが社会的な構造を作っていくうえで大きな助
けになりました。
マレニーの直ぐ近くにエコビレッジを作るということは大変いいことでもありました。
イサカのエコビレッジがイサカという町が重要であったように、クリスタルウォーターズ建設の際にはマレニーという町が重要でした。
マレニーという町には、ファーストフードの店は一軒もありません。
ケンタッキー・マクドナルドというファーストフードの店は一軒もありません。
レッド・ルースターという名前のケンタッキーフライドチキンのような食事を提供する店が一軒だけありました。しかし、何年か前に閉鎖
されました。誰も食べに行かなかったのでしょう。
中略
<スライド・ヌーサの海岸で写した石に張り付く貝の写真。>
これは自然のシステムです。
これは、アフリカの村のような感じを抱きませんか?
貝の一種ですね。
潮がこちらからやってきます。
もし、潮がたくさんありすぎると貝は生存することが出来ません。
もし、上のほうにありすぎても貝は生存することが出来ません。
端の急な斜面に張り付くのは多くのエネルギーを必要とするので、そこでも生存することが出来ません。
貝が生存できるところというのは自然のシステムの中に組み込まれて、この間の場所だったら十分生存できるということを示しています。
この貝の自然のシステムの中から学ばなくてはならないのです。
もし、クリスタルウォーターズのコミュニティー内で十分な食料を生産できなければ、私たちは外のマーケットに行って食料を買わなけれ
ばいけません。
スーパーマーケットのドアを開けるということは、コミュニティー外のほかの世界のドアを開けるということになります。
しかし、どのくらい持続できるかということは、私たちにも誰にもわかりません。
しかし、私たち以外の世界の人たちが私たちに食料をずっと提供し続けるというのは持続可能ではないと思う。この点だけは、確信を持っ
て言えます。
ですから、私たちはニーズを自然のシステムのように調整していくということが必要とされています。
<スライド、スイスの南部の村の写真です。>
このような村をコピーして作りなさいと言っているのではありません。
このスイスの村は300年~400年生き残ってきたわけですから、なにか正しいことをやっているんではないかということが判るんで
す。
私は小さいときからたびたびこの村を訪れておりまして、この村というのが持続可能だという言葉をそのまま表す村でもありました。
住宅建設にはこの土地で手に入る建築部材を使用しましたし、森林伐採には大変注意を持って行っていました。
社会的なつながりを持った、そして安心感を与える住宅作り村づくりがされています。そして長い期間このような状況で暮らしを続けてこ
られたわけです。
この村は今でもこのような形で生き残っております。
ただ道路はありません。
しかし、過去50年の間に村では大きな変化がありました。
過去から学ぶことが出来ます。
我々は現在のいろんな手法を手にいれて使うことが出来ます。
過去の最善なもの、現在使われている最善な手法を両方使って組み合わせることで持続可能なクリーンなエコビレッジの建設が可能だと考
えています。
<スライド、スイスで私が育った町です。>
泉というのが村にとって大変重要なものでした。
泉が集合場所になっていまして、泉の周りで多くの人たちが会っていました。
しかし、35年前に泉を撤去しまして駐車場が出来ました。
撤去された後に泉というものが人々のハートだったということを考えるようになりました。
当時の泉が大変重要な人々のこころとしての社会的な機能を果たしていたということが判ったのです。
撤去された泉の形はパーマカルチャーのデザインになっています。
泉の段になっている所に人々が座ったり、4つのところから水が飲めるようになっています。
泉を撤去した方が泉の大切さを知り、泉を作り直したのですが、座るところがありません。水も飲むところがありません。
2回目の挑戦で、もちろん水は飲めます。しかし、腰を下ろしたり待ち合わせ場所にしたりするのは不可能です。
忙しい世の中で誰かと会ってお話をするという場所を失っています。人と会う場所がなければ問題を解決することが出来ないということに
なります。
エコビレッジでは人々が会って話をする場所を沢山作っています。
<スライド、スイス南部にある集会場所です。>
パン屋さんのオーブンです。
これは女性だけの場所で、私はパンを焼いているときの写真は撮ることが出来ません。
おそらく30年前は、女性が集まって1週間に2回ぐらいみんなでパンを焼いていたということです。
1週間に2回、女性たちがパンを焼くために集まっていたのですが、それ以上にコミュニケーションをとったり情報交換をしたりすること
が重要でした。
そしてその考えがクリスタルウォーターズの中にも反映されています。
クリスタルウォーターズ設計の際に人々が何をすることを期待しているかを調査してみました。
クリスタルウォーターズで人々がしたいことはどこにでも見られることです。
きれいな空気、きれいな水、安全な食べ物を持ちたい。
安全な食料を生産するということは、安全な汚染されていない土壌を持つということが必要です。
私たちの責任というものは、私たちの後に続く世代、みんながきれいな空気、きれいな水、安全な食べ物を手に入れられるということで
す。
私たちがエコビレッジ設計に当たって考える点は、動物であったり植物であったりインフラであったりします。
しかし、エコビレッジの設計はそこに住む人々のためにやっているということを忘れてはいけません。
<スライド>
この人はオールドデイブさんという方です。
残念ながら5年前にお亡くなりになりました。
このデイブさん。私たちのコミュニティーにとって大変重要な人物でもありました。
まず、各年代の構成比を持つことが大変重要だと思います。
生まれてきたばかりの赤ちゃんから、最高齢は87歳の方まで、私たちのコミュニティーの中にはいます。今までの中で最高年齢の方は
96歳という方がいました。
高齢者の方がコミュニティーの中にいるということは大変重要な意味を持ちます。
高齢者の方からたくさんのことを学ぶことが出来るからです。
大学では高齢者の方が持っている知恵というものは学ぶことが出来ないからです。
知恵をきちんと持つというのは80年くらい人生が必要かと思われます。
良く見かけることですが、クリスタルウォーターズの今後の方針について高齢者の方が影響力を持っているということです。
しかし、私たちの未来は小さなお子さんたちにかかっています。
クリスタルウォーターズのコミュニティーは小さなお子さんを育てるには素晴らしい環境になっています。
自然の景観については変化をもたらさなければなりませんでした。
道路を建設しました。どういうふうに道路を建設するかは大変な注意を払わなければなりませんでした。
道路を建設するには、車を使う人や歩く人が快適に利用できるように考えねばなりません。
車の利用はなるべく控えるようにしてほしいと奨励しています。
クリスタルウォーターズでは車の使用がまだ多くなされていると思います。
車の使用に関しては減らす方向で正しい方向に向かっていると思います。
また、住宅建設しなければなりません。
住宅建設にはその土地へ最小限の影響しか与えないという注意が必要です。
建築部材の選択の際は注意が必要となります。
大小の湖も建設しました。
<スライド>
これは一番大きな湖です。
直径が116メートルの長さになっております。
10メートルの高さ。1億リットルの水を貯水できます。
レクレーションや野生生物の生息地としても重要です。
食料生産としても重要です。
私たちのような乾燥した地域に住む人たちにとっては大変重要な働きをしています。
オーストラリアのような土地に住んでいますので、水を貯めたり節約をすることに関してはエキスパートになっています。
水には精神性の面で大変影響を与える役目も持っています。
水を近くに置くと何か気持ちが安らぐような感じがするのではないでしょうか?
<レストランのスライド>
コミュニティースペースになっています。
なにかパフォーマンスを行う場所にもなっています。
<家具作りのスライド>
スコットランド出身の男性です。
クリスタルウォーターズに集まった住人は、18の国籍にまたがっています。
また、言語は多岐にわたります。
クリスタルウォーターズでは、犬と猫を飼うことがありません。
犬と猫が嫌いだからコミュニティー内で飼わないということではないです。
犬と猫がここの環境にあっていないと思うからです。
クリスタルウォーターズには沢山のカンガルーやワラビーが生息しています。
170種類の鳥の生息地でもあります。
26種類のカエルも生息しています。カエルは大変うるさい生き物でもあります。
個人的に私は毎日自然とのつながりがほしいと思っている人間です。精神的な健康には毎日自然と接するということが私にとって重要で
す。
エコビレッジにはこのナチュラルな自然の素晴らしい場所が必ず必要だと考えています。
日本のエコビレッジには広大な敷地をもったクリスタルウォーターズのようなエコビレッジはないと思います。
小さな自然の素晴らしい場所を作っていくことが必要です。
私たちは時々子供の視線の高さになって、自然を見つめていくことが大切だと思います。
大人の目の高さは必要ありません。
私たちはしっかりと目を見開くことが必要です。
皆さんが日本のエコビレッジを作っていくということに大きな期待をしています。
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